fru(프루) by キム・ヒヨン

気づけば1月も終わりに差し掛かりましたね。

名ばかりの立春を目前に、まだまだ寒い日々が続きますが、韓国の女性陶芸家、キム・ヒヨンによるセラミックブランド『fru(프루)』より、冬を越え春へと耐える自然の移り変わりのように、力強く美しい器が届きました。

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fruについて

『fru(프루)』の作品は、小石が集まる川沿いの風景や和食をイメージした色彩など、釉薬を通して陶器の魅力と美しさを独自の視点で表現しています。
また自身の活動とは別に、教育の中心地として有名な城北区のスタジオでワークショップも行っている彼女。
クラスを通じて様々な生徒たちに陶芸の魅力を伝えている彼女のInstagram(@dojayeon_)には、生徒の作品の投稿も多く、写真とともに添えられた生徒に対しての感謝の言葉や、優しい言葉が印象的で、他者の物作りに対しても抜かり無く優しく寄り添うような彼女の姿が目に浮かびます。
お会いしたのは一度だけですが、こういった些細な側面からも、陶芸に対してまっすぐに向きあう彼女の姿勢が伝わってくるんです。

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彼女に陶芸を始めたきっかけを聞いてみました。

ヒヨン氏:学校での専攻が東洋画だったこともあり、長い間絵を描き続けていましたが、卒業のタイミングを機に、自分が本当にやりたかったことは何だったのだろう。と振り返ってみたんです。
そんな時に、ふと、陶芸を学びに行っていたことを思い出しました。
絵と陶芸は道具が異なるものの、手で作り出されるものであるという共通点を感じてからは、私にとって陶芸はもう一つの絵の延長線ととなり、今では土を使って人々に自分の物語を伝えたいという気持ちで陶芸をしています。

今回の作品について

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オーダーは去年の春に、ワークスタジオでもあるショップで進めてきました。

オーダーの際にはジェスチャーや翻訳アプリを使いながら、形、釉薬の選定を行い、言葉の壁を感じながらも、彼女の柔らかい人柄に助けられ、会話内で時折発見する「釉薬=ユヤク」、「道具=ドウグ」など、日本語と同じ意味の韓国語に、お互いに「あっ!」と、笑い合いながら、楽しく取り進めていきました。

作品を作る際には、

『自分が作りたい作品であると同時に、使う人がよい評価をしてくれるものであるかを考えることが重要。』

と話す彼女は、比率やサイズなど、使う人の視点に立ち、さまざまな側面を優先的に考慮した後に用途を考え、最後にそれに応じたデザインや釉薬を調整しています。

やわらかな食卓を演出するこちらの八角皿は全3サイズでの展開となっており、サイズ違いでお集めいただくのもおすすめです。
なんとも程よく使いやすいサイズ感からは、使う人への配慮を思い、考え抜かれた一枚であることが伺えます。また、彼女の人柄を映し出したような、穏やかな釉薬の表情と、角皿ながらもまるみを残したゆるやかなカーブが魅力的。

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『小さなテストピースで多くの実験を重ね、望む結果に達するまで何度も調整を繰り返している。』

と話す釉薬はどれも美しく、あれもこれも…と後ろ髪をひかれながらも、こちらの4種類でご用意いたしました。

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その中でも個人的におすすめなのは、"Stoneシリーズ"の釉薬。
”石”を題材にした釉薬はブルーや、ダークグリーン、ブラックなど様々な色のニュアンスが感じられる深みのある色味と凹凸のあるざらりとした質感が特徴的です。
トレイや置物等インテリアアイテムの一つとしてとしてお使いいただく事を推奨してはおりますが、

『あくまでも使う人目線で自由に使ってほしいので、器の用途を強制したくない。』

と話す、彼女の作品に対する遊び心や可能性を感じながら、皆様それぞれの想像力でお楽しみいただきたい作品です。

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最後に彼女は日本にいる私たちに向けて、こう話してくれました。

ヒヨン氏:ソウルの小さなスタジオで土に向き合ってきた、今までの努力が少しつづ実り、こうして韓国以外でも器を紹介できることをとても嬉しく思います。
皆様が私の器をどのように感じ、どのように使っていただけるのだろう、と思うととても楽しみで仕方ありません。土が工程を通して固くなるように、皆様の日常生活にも私の器を通じて少しの強さが生まれることを願っています。

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ご紹介した作品の他にも、素敵な作品たちをご用意しておりますのでお近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。
千駄ヶ谷店 (火曜定休)
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