2025/09/23 Reiko Egawa ceramic works

初めて江川さんの器を拝見したとき、その作風に海外作家さんのような魅力を感じました。数ある陶芸技法の中から「練り込み」を用い、独自の表現を追求されている江川さん。 当店では今回が初めてのお取り扱いとなりますので、作品に込められた想いやこだわりについて伺いました。

About
大学で陶芸学科を選んだことをきっかけに、江川玲子さんは陶芸の道へ進まれました。 素材を手で直接扱い、自由な造形を楽しめること、さらに自らの手で生み出した器を日常で使えることに大きな魅力を感じたといいます。 伝統的な技法を少しずつアレンジしながら、新鮮な表情をもつ陶器を探求。 造形や装飾の自由さを楽しみつつも、使いやすさを損なわないよう心を配り、生活に寄り添う作品を生み出しています。

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Q. 陶芸をはじめられたきっかけを教えてください
大学で陶芸学科を選択したことがきっかけです。手で素材に直接触れ、自由な造形を楽しめることや、自分の手でつくった器を日常で使えることに大きな魅力を感じました。

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Q. 作品には海外的な雰囲気が感じられますが、現在の作風に影響を与えた出来事があれば教えてください。
「海外的」と言われるのは初めてで新鮮です。制作の際に特別意識していたわけではありませんが、旅行がとても好きで、独立前には1年半ほどヨーロッパに滞在し各地を巡りました。 その経験が印象につながっているのかもしれません。海外の壁や床に敷き詰められたタイルや、カラフルな陶磁器の装飾には強い感銘を受けました。

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Q. 器づくりで大切にしていることや意識していることはありますか。
古くからある技法をアレンジしたり組み合わせたりして、新鮮な表情をもつ陶器をつくることを心がけています。白い器たちはポップな柄に貫入を重ねたこと、黒いPebbleでは粘土に細かい粒子を練り込み、柄によって異なる手触りを表現したことが新しい試みです。また、陶芸は造形や装飾の自由度が高いため、つい遊び心を加えたくなりますが、使いやすさを損なわないよう注意しています。

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Q. 練り込みで作品をつくる際、特に楽しい部分やご苦労される部分はありますか。
一番楽しいのは、粘土を重ねて模様をつくっている時です。同じモチーフやパターンを用いていても、制作時期によって大きさや種類が少しずつ変わります。新しいデザインを考える際は「何を練り込むか」「どのように組み合わせるか」「釉薬をどうするか」など多くのテストを行いますが、そのテストピースが良い仕上がりだった時も、とても嬉しい瞬間です。苦労するのは、模様に重ねる貫入のコントロールです。釉薬の濃さや窯の位置、詰め方などによって仕上がりが左右されるため、完成するまで気が抜けません。



釉薬の個体差とは異なり、意図的に絵柄の違いを生み出すことの難しさは、作り手である本人にしかわからないものかもしれません。だからこそ、「これだ!」と思える一枚にきっと出会っていただけるはずです。店頭とオンラインショップでご用意しておりますので、ぜひご覧ください。

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